遺言書を作成する具体的なステップ
2025.2.15
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
相続の仕事に携わって10年ほど経つのですが、「遺言書を作成しよう」と思いながらも、なかなか進まない方が多いように感じます。みなさん相続に関する情報収集をしっかりとされているのに、なぜでしょうか。
大きな理由の一つは、遺言書を作成するための具体的な進め方がわからないからではないかと思います。というのも、遺言書に関する知識面での情報は豊富にあり収集しやすいのですが、遺言書を完成させるまでの具体的な進め方の情報は意外と少ないのです。そこで今回から、遺言書作成をスムーズに進める方法をお伝えしていきます。本題に入る前に、まずは遺言書を作成するメリットについて考えておきましょう。
遺言書を作成すると、どんな良いことがあるでしょうか。代表的なメリットとして、以下のような点が思い浮かぶでしょう。
✔家族間の争いを避けられる ✔残される家族の不安が軽減される
✔相続手続きが簡単になる ✔遺言書を作成した人の想いを形にできる |
中でも最大のメリットは、相続発生後に「遺産分割協議」を行う必要がなくなることです。この協議では相続人全員の合意が必要ですが、意見がまとまらない場合には親しい家族が遺産をめぐって争うような事態も考えられます。家族の問題で弁護士に依頼をしたり、裁判所での調停が必要になったりする事態は避けたいところです。遺言書があれば、こうした心配を未然に防ぐことができます。
次のようなケースに当てはまる場合などは特に、トラブルに発展したり、相続手続きが複雑化して時間や労力を奪われたりすることが考えられますので、必ず遺言書を作成しておきたいところです。
✔相続人同士の仲が悪い ✔再婚で前の配偶者との間に子どもがいる
✔子どものいない夫婦 ✔相続人にあたる人がいない ✔自宅が財産のほとんどを占めている ✔自宅を子どもの一人と共有している ✔相続人以外に財産を渡したい ✔事業を営んでおり、一人に集中して相続させたい |
遺言書作成は難しいと思われがちですが、具体的な手順を知れば意外とスムーズに進められます。次回から、遺言書作成の進め方について詳しくお話ししていきます。まずは「遺言書を作ることでご家族が将来どれだけ安心できるか」をぜひ想像してみてください。