令和7年分の「路線価」公表!4年連続の上昇
2025.8.1
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
7月1日に公表された今年の路線価、みなさんはもう確認されましたか?路線価は毎年1月1日時点の道路に面する土地1㎡当たりの価格を評価したもので、その年の相続税や贈与税を算定するうえで基準となる指標です。
今年の路線価は昨年に比べ全国平均で2.7%上昇し、4年連続で前年を上回りました。上昇率は毎年大きく伸びていて、一昨年1.5%、昨年2.3%、今年2.7%の上昇と、今年は現在の計算方法となった10年以降で最大の伸び幅となりました。インバウンド需要や駅周辺の開発が地価上昇を後押しした一方で、一部の地方では下落傾向が続いています。
都道府県別の上昇率は、東京都の8.1%が最大で、沖縄県6.3%、福岡県6.0%と続きました。上昇した都道府県の数は、昨年より6多い35都道府県に増えています。その一方、奈良県1.0%、和歌山県0.7%、新潟県0.6%など12県が昨年に続き下落しました。今年の路線価は昨年の能登半島地震の影響が初めて反映されています。被害の大きかった輪島市の「朝市通り」は昨年比16.7%の下落となりました。
埼玉県内の路線価は昨年に比べ平均2.1%上昇し、4年連続で上昇しました。
県内で路線価が最も高かったのは、さいたま市大宮区の「大宮駅西口駅前ロータリー」で1㎡当たり592万円。上昇率は11.9%と、昨年の11.4%を上回る大幅な伸びを見せました。さいたま市浦和区の「浦和駅西口駅前ロータリー」は、10.8%上昇し、1㎡当たり256万円。10.8%の上昇となり今年も大きく伸びました。
さいたま市が推進する「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」により、大宮駅周辺には今後も複数の商業施設や、オフィスビル、マンション建設が進む見込みです。浦和駅前では地上27階、地下2階建ての複合施設「URAWA THE TOWER」の建設が進んでおり、住宅需要・オフィス需要から両エリアともに今後も上昇傾向が続くことが考えられます。
路線価が全国で一番高かったのは今年も東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前の銀座中央通りで、昨年比8.7%上昇し1㎡当たり4,808万円でした。昭和61年分以降、全国首位は40年連続です。
路線価が公表されるこの時期は、ご自身の資産の相続税評価額を見直す良い機会です。路線価が変わることで所有する土地の評価額は変わり、相続税額も変わります。相続対策の見直しが必要となることもあるでしょう。ぜひ相続に強い専門家の手を借りながら、円満な相続を迎える準備をなさってください。