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事業承継〈会社経営者の事業承継について〉(その2)

2019.12.1

7. 会社経営者の事業承継には、後継者の指名財産承継という重要な課題があります。

 

  1. (1) 経営者は、生前に後継者を指名し後継者以外の相続人にその構想を伝えるなど、事業承継をプランニングして置くことが大事なことです。
  •  (ア) 経営者がプランニングのないまま死去したりし、急場しのぎで相続人の中から社長を就任させることになると、いろいろと問題が持ち上がります。
  •   a)急逝した場合に後継者となる親族には心の準備がなく、経営のスキルも持ち合わせないことが多く、経営方針が揺らいだり従業員との人間関係がしっくりいかないと、会社内に不満が溜まることになります。
  •   b)また、後継者が上場企業の課長等の役職や海外勤務など内外のマネジメントの経験を積んでおり、上場企業への愛着心や上昇志向が強く、後継者となることが必ずしも本意でない時は、それが躓きの基となったりして社長をやり続けることが困難となることもあるでしょう。
  •   c)予期せず後継者となった時に、それまでの経歴に固執せずに広い視野に立って先代が長年の経営で培った会社が有する、中小企業の社風・風土を理解し従業員と十分な意思疎通を取って良好な関係を維持する姿勢を持てなければ、社長業を継続することは困難となります。
  •   d)社長に就任した以上は、我意を捨て目先の拘りを捨てて長期的視野に立ち会社に骨を埋める覚悟で上記の問題に取り組んでいく必要があります。
  •  (イ) このような事態に陥らないようにするには、経営者が一族郎党の性格や実行力などをよく見極め、家族の意見も参考にして後継社長候補を選び、財産の承継の方法等を検討し、自分の決意を関係者に伝えて納得させ、後日後継者や相続人から突然の異議が出る余地のない環境を整備しておくことが極めて大事です。
  1. (2) 後継者候補の選定は(その1)の6.で述べたとおり、経営者の信念と判断によって決定され、従業員・取引先などを納得させられるものであることを要します。
  •  (ア) 後継者には、後継者教育により経営者の人生観、考え方が反映する会社経営の方針や精神を理解させ,経営者としての自覚と責任を持たせる必要があります。
  •  (イ) 後継者が後継会社を更に発展させるには、一次的には先代経営者の創業の動機や経営方針などの「理念」や「想い」を引き継いて貰うように育成・指導し、二次的には後継者がそれに馴染み、それを維持する努力が大事になります。
  •  (ウ) 後継者には、先代の「想い」により社員に対し掲げてきた「理念」、「社風」、あるいは「経営方針」を急激に変更すると、企業としての団結力を削ぐことの危機意識を植え付けておかなければならないでしょう。
  1. (3) 後継者へ経営を引き継ぐための現経営者の責任
  •  (ア) 後継者が先々能力や実力を発揮できるようにするためには、会社の経営方針・企業文化・人脈の引き継ぎ、取引先への引き回し、後継者のブレーンの構成などの環境作りをして置く責任があります。
  •  (イ) 経営者が企業をどのような目的をもって創業したか、どのように営業活動をして成長してきたか、更に今後どのような形で成長していけるのか、といった「想い」や「理念」と、当該企業の「将来のあるべき姿」を後継者に引き継ぐことです。
  •  (ウ) 経営者からの企業経営を維持・発展させてきた「想い」や「理念」を後継者に引き継ぐことは、丹念に説明することであり、押し付けであってはなりません。
  1. (4) 経営者は、「株式」と「事業に必要な資産」を必ず後継者の管轄下に移転させるため下記の対策を取る必要があります

 ①後継者が経営権を確保できるように「自社株を集中」して取得させる。

 ②そのために経営者は、財産目録(資産・負債)を作成し、必要であれば存命中に贈与、売買の方法により生前に財産移転させ、更に「遺言公正証書」を作成し、死亡後に各相続人に承継させる財産の割り振りを計画しておく。

 ③後継者に会社を確実に支配させるためには、株式の保有割合を「特別決議権を行使できる3分の2を確保」させ、経営者一族による会社経営を長期的に安定させる方策を採る。

 ④遺言書作成の場合は、遺留分について留意しておく必要がある。

  1. (5) 会社経営者が事業承継のために行う「相続対策」は重要な施策であり、次の方針を考慮すべきであり、会社を子供たちに「兄弟平等」で承継させるとするのは「良い父親像」のようですが、いずれは会社の安定承継を阻害する原因となるので注意を要します。
  •  (ア) 後継者には株式の全部、又は大半を承継させ、他の相続人には現金や不動産を相続させる調整が必要です。
  •  (イ) 「兄弟は他人の始まり」と言われるように、兄弟だから難しくなることは沢山あり、一つの会社で係争が始まると経営の基盤が弱体化することになります。
  •  (ウ) 「平穏な会社承継」を優先させ、「兄弟平等」は相続財産の全体的なバランスの中で考慮し調整するようにします。
  •  (エ) 「平等に相続」は金額が基準になるので、後継者が会社の経営権を掌握する上で不利にならないように株式承継時の自社株の評価引き下げ対策などを行うことも必要となります。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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