「生命保険契約照会制度」がはじまりました
2021.10.19
今回は2021年7月からはじまった「生命保険契約照会制度」についてお話しします。
■何がどれくらい?財産状況が分からないご相続で起きること
皆さんは将来のご相続をふまえ、ご家族に財産状況を伝えていますか?ご相続が発生した際にご家族が財産を把握しておらず、遺言書やエンディングノートといったものは見当たらない、財産が分かる書類の保管場所も分からないといったケースは意外と多いです。残されたご家族は、家の中に金融機関や証券会社、保険会社からの郵便物といった、手がかりとなる書類がないか探す作業からはじめることになります。
相続税の申告が必要な場合は期限もありますので、探す作業に時間がかかり手続きになかなか着手できないという事態は避けたいところです。また生命保険については、証券等が見つからずに保険金を受け取り損ねることもあり得るでしょう。
■「生命保険契約照会制度」では何ができる?
今回始まった「生命保険契約照会制度」では、生命保険協会に照会をかけると、生命保険各社の契約有無の回答をまとめてもらうことができます。利用料は1回の照会あたり3,000円です。
(一般社団法人生命保険協会「生命保険契約照会制度」ポスターより抜粋)
■注意したいのは、照会できるのは亡くなった方名義の契約に限られること
例えば保険料は亡くなった親が支払っていたけれど、保険の契約者は子供であった場合。今回の制度で照会できるのは亡くなられた方名義の契約が対象ですので、子供名義の契約は照会できません。制度利用によっても契約の存在が知られないままとなってしまいます。
■作っておきたい財産のリスト
いくら便利な制度ができてもなかなか万能とはいきませんので、やはり相続の準備は大切です。財産のリストを作成したうえで、預貯金口座をまとめたり、株式や投資信託は程々にしたりといった財産の整理もしておきたいですね。
(財産リスト作成のポイント)
①何がどれくらいあるのか、ご家族が分かるようにしておくことが大切
②申告期限がある相続税の申告が必要なのか確認
③財産リストができたら、遺言書の作成もしておきましょう