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事業承継〈会社経営者の事業承継について〉(その15)

2022.5.6

今回は、前回の「特例措置」の「第一種特例贈与」に続いて、「第二種特例贈与」について説明します。

 

  1. 【Ⅲ】「第二種特例贈与」とは、先代経営者以外の株主、例えば、先代経営者の配偶者、兄弟などから後継者となる者へ株式(非上場株式)の贈与・相続が行われる場合で、前回(その14)で説明した「第一種特例贈与」に追随するものとして認められます(前々回(その13)【Ⅱ】1 (2)  (ウ) b) 参照)。

 

  1. 1 「第二種特例贈与」の納税猶予(特例措置)を受けるための要件(「第二種認定」)は、次の通りです。

    1. (1) その適用を受けるには、先に、後継者が先代経営者から自社株の贈与(「第一種特例贈与」)を受けている必要があります。
    2. (2) 「第一種特例贈与」の後5年間に、「第二種特例贈与」を行うことができます。後継者が複数(3人まで可能)の場合でも可能ですが、「同一年に行う」必要があります。
      •  (ア) 「第二種特例贈与」は、同一年中であれば同一の贈与者から複数の後継者へ異なる時期に贈与することができます。
      •  (イ) この場合「贈与者よりも多くの議決権数を有するように贈与する」という要件は、最後に行われた贈与直後に有する議決権の数によって判断します。
      •  (ウ) 「第二種特例贈与」を利用できれば、既に拡散していた株式を後継者に集中させることができます。

 

    1.  (3) 「第二種特例贈与」者は、上記の通り、先代経営者の配偶者、兄弟などからの贈与・相続ですが、後継者が先代経営者の親族でない、例えば、会社の役員や従業員の場合もあります。

      • (ア) この追随贈与の贈与者には、次の2つの適用要件があります。

        • ① 贈与時において代表権をもっていないこと。
        • ② 追随ですから,すでに「第一種特例贈与」の適用を受けた贈与者がいること。
      • (イ) この追随贈与は、「特例経営贈与承継期間」内に贈与に係る申告書の提出期限が到来するものが対象となります。

 

    1.  (4) 「特例経営承継期間」は、贈与を受けた年(12月31日まで)の申告期限の翌日(翌年3月16日)から5年後の申告期限(3月15日まで)となります。
      •  (ア) 例えば、令和3年中に贈与すれば、承継期間は令和4年3月16日の5年後の令和9年3月15日までとなるので、令和8年12月31日まで追随贈与が可能です。
      •  (イ) 「第二種特例贈与」は、「第一種特例贈与」と同年に実施すれば、同じ年に贈与税の申告手続が一度で済むので簡便です。
      •  (ウ) しかし、「第一種特例贈与」の翌年以降の贈与を受けると、「第二種特例贈与」につき都道府県知事の認定手続きが別に必要となり厄介です。

 

  1. 2 これまでの(その12)から(その15)において、「事業承継のための新しい税制」(特例措置)における自社株式の贈与・相続の納税猶予の免除についてその適用要件など詳細に述べてきており、馴染めないかも知れませんが次回以降も引き続き税法上の非上場会社の株価の「相続等の評価方法」(「同族株主」の評価)について説明することになります。

 

  1. 3 ここで、会社経営者の事業承継に関心を持たれ方には、(その1)から(その8)までを遡って読み直し、事業承継の基本的知識の整理をされるのが大事かと思います。そうでない方も事業承継の概略を知るためにも捲り直し目を通してみてください。(その9)から(その12)の信託は、特殊事例なので読み飛ばして結構です。よろしくお願いします。

 

 

 

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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