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事業承継〈会社経営者の事業承継について〉(その16)

2022.6.2

今回は、<非上場会社の株価の「相続等の評価方法>について説明します。

 

【Ⅳ】「非上場株式」(取引相場のない株式)が相続や贈与等で移転する場合の評価方法は、国税庁の「財産評価基本通達」に定められています。

 

  1. 1 株式の評価額の計算方法は、「原則的評価方式」と「特例的評価方式」(配当還元方式)の2種類があり、更に「原則的評価方式」には、「類似業種比準方式」、「純資産価額方式」、「併用方式」の3種類があります。
  2. 2 <相続、遺贈又は贈与によって取得した「非上場株式」につき、その評価方法を決める手順>について説明します。

    1. (1) 最初に、<① 株主区分>で、取得者が「同族株主等」に該当するかを判定します。通常の事業承継者は、同族株主等に該当します。「同族株主」については次回に説明します。
      • (ア) 相続や贈与等で取得する株主が、会社の経営を支配する影響力を持つ<同族株主等の場合>の評価基準は、「原則的評価方式」となります。
      • (イ) <それ以外の株主の場合>は「特例的評価方式」(配当還元方式)となりますが、同族株主等の場合と同じ方式の方が低い価額になる場合はそれによります。
    2. (2) 次に、<② 評価会社の区分>において、株式発行会社が「一般の評価会社」か「特定の評価会社」かを判断し、「特定の評価会社」に該当する場合は、「純資産価額方式」となり、該当しなければ「一般の評価会社」として「原則的評価方式」で評価することになります。詳しくは,次に説明します。

    3. (3) 更に、「原則的評価方式」の適用の場合は、<③ 会社の規模>(大会社・中会社・小会社)を判定し、それによって「類似業種比準方式」、「純資産価額方式」、「併用方式」のいずれの適用となるかを判定します。詳細は後に説明します。
    4. (4) 以上の手順で各評価方式による価額と1株当たりの純資産価額の算定を行います。
  3. 3 上記<② 評価会社の区分>の「特定の評価会社」は、株式や土地などの特定の資産の保有割合が著しく高く、営業状態等が一般の会社と異なる会社を指し、会社の規模区分に係わらず、原則として「純資産価額方式」により株式を評価します。

    1. (1) 「株式等保有特定会社」は、株式等の価額の合計額(相続税評価額による)の割合が総資産の50%以上である評価会社を言います。

      • (ア) 相続対策としては、会社の総資産に対する株式等の比率を50%未満にして「株式保有特定会社」から外す(「株特外し」)ことに尽きます。
      • (イ) 「株特外し」の主な方法は、借入れを増加させ総資産内の株式の割合を引き下げるとか、株式以外の不動産等の資産の購入などがあります。
    2. (2) 「土地保有特定会社」は、課税時期における総資産価額に占める土地などの価額合計における「土地保有割合」が一定の割合以上の会社のことを言います。

      • (ア) 「土地保有特定会社」は、本来、大会社と中会社を対象とし、大会社の場合は、総資産価額に占める土地等の価額の割合(土地保有割合)が70%以上のとき、中会社の場合は90%以上のときに、「土地保有特定会社」と判定します。

      • (イ) 小会社の場合でも、「小会社の大」(総資産価額が大会社の基準となり、土地保有割合が70%以上)の会社を、「小会社の中」(総資産価額が中会社の基準となり、その割合が90%以上)の会社を、「土地保有特定会社」と判定します。なお、「小会社の小」の会社は、「土地保有特定会社」に該当しません。
      • (ウ) 対象となる土地は、会社が保有するすべての土地で、所有目的や所有期間は問わず、地上権や借地権、販売用の土地も含まれるので注意が必要です。

      • (エ) 土地を評価会社から外す(「土地特外し」)対策は、建物の建て替え、遊休地の貸し付け、また金融商品(投資有価証券、上場株式)等の資産の取得し、土地等の保有割合を低下させます。
    3. (3) なお、評価会社が、課税時期前に合理的な理由なくその資産構成を変動させ、「株式等保有特定会社」、「土地保有特定会社の株式」に該当する判定を免れるためと認められるときは、その変動はなかったものと判定される(財産評価基本通達189)ので注意を要します。
  1. 4 「原則的評価方式」は、上記の<③ 会社の規模>を、会社の従業員数と純資産、取引金額、及び業種(卸業・小売・サービス業、それ以外の3業種)を基準に「大会社、中会社(大・中・小)、小会社」の5つに区分し、評価方法を決めます(財産評価基本通達178等)。その判定方法は複雑なので、専門家に相談してください。

    1. (1) 大会社は、従業員数が70名以上か、70名未満でも総資産価額等の基準を満たす会社で、上場会社との均衡を図るためその株価を基にした「類似業種比準方式」により評価します。
    2. (2) 中会社は、大会社と小会社以外の会社で、従業員数・総資産・取引価格の3要素に基づき「国税庁の会社規模判定表」によって「大・中・小」に分類し、類似業種比準方式と純資産価額方式の「併用方式」により評価します。

      • (ア) 「併用方式」は、それぞれにつき上記2つの方式で評価額を算出し、会社の規模に応じた併用比率(「類似業種比準方式を使用する3種類割合」(Lの割合=0.9、0.75、0,60)(明細書通達))によってに分類され、株式の評価額を算出します。
      • (イ) 会社規模は「総資産価額及び従業員数」と「直前期末以前1年間の取引金額」の2つで判定します。
      • (ウ) なお、「類似業種比準方式」は、類似する同業種の上場企業の株価や各種数値と、評価会社の配当・利益・純資産を比較して算定しますが、評価会社の業種目については「小分類又は中分類」「中分類又は大分類」のいずれかを選択できるので、有利な方を選定します(財産評価基本通達181 類似業種)。
    3. (3) 小会社は、個人事業主が会社を直接支配する企業なので、個人事業主が保有する財産評価額との均衡を考慮し、原則として「純資産価額方式」により評価します。
    4. (4) 「純資産価額方式」は、自社保有の純資産の1株当たりの価額を評価額とする方法で、純資産は相続税に従い評価しており、貸借対照表上の帳簿価額とは異なります。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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