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変わってきた成年後見制度 ~成年後見人には身近な親族を~

2022.7.7

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

少し前になりますが平成31年3月18日に開催された有識者会議で、最高裁判所は成年後見人等には身近な親族を選任することが望ましいという考えを明らかにしました。後見人による財産の横領等の被害が増えたことを背景に、後見人には親族以外の第三者として専門家が選任される傾向にある中で、この見解表明はニュースでも話題になりました。

その後の成年後見制度の変化を、今年3月に最高裁判所が公開した「成年後見関係事件の概況 令和2年1月~12月」からみてみましょう。

 

■成年後見の利用は増えている

成年後見関係の申立件数は、昨年に比べて約3.5%と増加しました。ただ、急速に進む高齢化に見合う程には、成年後見制度の利用は進んでいないようです。

 

■申立動機で最も多いのは、預貯金等の管理・解約

成年後見関係の申立原因は、やはり認知症が最も多く全体の64.1%。申立の動機として最も多いのが預貯金等の管理・解約で、全体の37.1%を占めます。

今年の2月18日に全国銀行協会が発表した考えでは、認知症等による口座凍結への対応は成年後見制度の利用が原則としています。このことからも、今後も認知症等による口座凍結が成年後見制度利用の主要動機となることが見込まれます。

 

■親族は成年後見人になれる?

親族以外の専門家等が成年後見人等に選任されたものは、全体の80.3%。親族等が選任されたものは全体の19.7%にとどまりました。親族が後見人になるのは難しいように思える結果ですが、そうとも限らない様です。令和2年2月からのデータですが、成年後見人等の候補者として親族が記載されていたのはわずか23.6%。「親族が後見人になるのは難しい」という認識から、そもそも申立の際に親族を候補者として記載していないという背景があるのかもしれません。認知症による財産管理の問題には事前の対策が大切なのはもちろんですが、それぞれの制度の変化にも注視していきたいですね。

 

 

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