親世代からはじめる相続 ~円満相続の最短ルート~
2022.7.21
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
どのご家庭もいつか迎える相続ですが、相続の話題、切り出すのは親世代と子世代どちらからが良いと思いますか?個人的には、親世代から切り出すのが良いと思います。さらには円満相続への最短ルートとも思いますので、今回はその理由からお話しします。
■子世代から相続の話題を切り出すと起きがちなこと
相続の話題はとても繊細ですので、子世代からは触れづらいものです。話を切り出すことで、「親子関係が険悪になるかもしれない」、「財産が欲しがっていると思われるのでは」と心配をされるでしょう。しかもこのような心配をしている事態は、ちょっとした言い方次第で実際に起きてしまうようです。
「大変なことになるのは分かっていたが、親には切り出せなかった…」と、準備ができないまま相続を迎えられる方も多いです。その方々が相続を迎えるまでの経緯はよく似ていて、親世代が元気なうちは「まだ先の話なのに嫌な思いをするだろう」、親世代の体力の衰えが出てきてからは「こんな状況ではとても話せない」と考えながら、相続を迎えています。
また親世代も、子供から相続の話を振られると少なからずショックを受ける方が多いです。「相続の準備が必要とは分かっているが、自分が死ぬのを待たれているよう」と感じるようです。
このように子世代から相続の話題を切り出すと、お互いに気持ちよく相続の準備を始めるのはなかなか難しいといえます。
■相続は親世代が準備をはじめ、子世代と共有する
円満相続を迎えているご家族は、親世代が相続の方針を決めて対策をしています。さらに子世代と共有することで、相続後の思いがけないトラブルもないように準備をしています。
円満相続に向けて、まずは財産の洗い出しから取りかかりましょう。次に、自分亡き後の心配事が何かを洗い出します。残される家族の今後の生活に不安はないか、遺産の分け方で揉め事が起きないか、必要な方は相続税の負担や承継する事業等についても考えてみましょう。その上で、とるべき対策を講じていきます。
そしてぜひ、想いを実現する遺言書を作成しておきましょう。
もし対策が必要な場合には、専門家の手を借りることも考えてみてください。何が最適な対策か判断できない場合には、書籍等で十分な知識を得ても解けない、専門家の知識と経験が必要な難しい課題といえるでしょう。一緒に考えてくれる相談先を決めるのも、大切な相続の準備です。
早いものでもう7月、今年も半分が過ぎました。8月にはお盆を迎えます。ご家族で集まる機会にむけて、ぜひ相続について考えてみましょう。