「相続土地国庫帰属制度」がはじまります ~令和5年4月27日スタートの新制度~
2023.4.10
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
さて、所有者不明土地問題の解消のため創設された「相続土地国庫帰属制度」がいよいよ4月27日から施行されます。一定の要件を満たした上で審査を通過すれば、相続により(売買等は対象外)取得した土地の所有権と管理責任を国に引き取ってもらうことができます。
■まずは法務局での事前相談を予約
今年の2月22日から事前相談の受付が施行に先立ちはじまりました。制度利用を検討されている方は、まずは法務局へ事前相談の予約をしてみて下さい。法務局の窓口での対面または電話で個別相談を受けてくれます。窓口での対面の方が持参した資料を一緒に見ながら相談できますので、より的確な回答をもらえるでしょう。相談できる法務局は手放そうとしている土地を管轄する法務局(本局)ですが、遠方で出向くのが難しい場合にはお近くの法務局(本局)へも相談可能です。手放したい土地の所有者本人はもちろん、ご家族・ご親族も相談できます。
■事前相談の前にご準備を
事前相談では「この土地を引き取ってもらうことはできそうか」「申請書類を準備したが不備や漏れはないか」といった個別具体的な相談ができますが、1回の相談時間は30分と限られています。相談時間の延長はできないようですので、引き取ってもらえない土地の要件、負担金の算出方法といった基本的な内容は、事前に法務省のHPで確認しておくとよいでしょう。分かりやすくまとめられています。
事前相談では持参された資料をもとに相談に応じてくれます。具体的な回答をしてもらえるように、土地の状況等が分かる資料や写真をできる限り準備しておくと良いでしょう。
<資料や写真の具体例>
・登記事項証明書又は登記簿謄本
・法務局で取得した地図又は公図
・法務局で取得した地積測量図
・土地の測量図面
・土地の現況・全体が分かる画像又は写真 等
■事前相談での注意点
事前相談では、持参された資料や写真の範囲の情報をもとに、あくまで法務局担当者の個人的な見解をしめしてくれるまでです。実際に申請をした後に行われる審査では、審査担当者がその土地に出向いて現地調査をしたり、関係機関から提供された資料を確認したりした上で、承認するかしないかの判断がなされます。相談に応じてくれた法務局担当者の見解が、実際の審査結果とは異なることもありますので注意しましょう。