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「事業承継」〈会社経営者の事業承継について〉(その1)

2019.10.1

1 今日、中小企業における事業承継の問題は、高度経済成長時代に創業した多くの企業が、約半世紀が過ぎ、経営者が高齢化して後継者へのバトンタッチを必要としているのに後継者のなり手が少なくなっていることにあると言われています。

(1) 若者の人口が減少していること、また生活の安定を優先させ、大組織で働くことを望む若者が増えたことの影響もあるようです。

(2) 後継者を確保できなければ、経営者の引退と共にその企業は廃業、場合によっては倒産を余儀なくされることもあります。そして、もう少し大きな目で見れば、廃業する中小企業の増加は、雇用や技術の伝承等に重大な影響をもたらし、地域経済の衰退を招くことにもなります。

(3) 中小企業を魅力あるものにし、後継者を発掘したいものです。

 

2 そこで、企業のオーナーは、事業承継のあり方を考えておく必要があろうかと思います。後継者がなく事業の廃業を避けるためには、事業を他に譲渡することになりますが、それも簡単なことではありません。そこで、早い時期に後継者にする人材を探し、また事業を承継させることが可能なのかを考えておくことが大事になります。

 

3 事業承継対策を必要とするのは、「所有」と「経営」が一致するオーナー企業です。

(1) 事業承継に失敗すると、オーナーの一族を始め、会社や従業員、更には取引先や債権者にも影響を及ぼします。

(2) 事業承継は、経営者が交代するので事業の存続にリスクがあり、また後継者への株式の贈与・相続、納税の問題も伴うので、事業の現状を把握し、その将来性を見通し、事前の十分な検討と準備を必要とします。

 

4 事業承継を望む現経営者のオーナーは、企業としての存続・発展と一族の資産保全・繁栄を望んでいます。

(1) 事業の存続は、後継者に対し、事業に係る「経営」(経営権、経営ノウハウ等)と、「資産」(自社株式、事業用資産、のれん等)を承継させることです。

(2) オーナー企業の場合は、その資産の大部分が自社株であることが多く、事業が発展し企業価値が向上すれば、資産が増加し自社株の価値が高まり、一族が繁栄し、また資産保全の対策も必要とします。

 

5 先ず、承継させる事業を現状分析し、その対応の必要性と対策を検討しておきます。

(1) 経営者が会社の経営状況(概況)を,過去3期分の決算書、法人税申告書、登記簿謄本、定款、株主名簿等により明らかにします。

(ア) 経営者が関わる会社の財政状況を具体的に把握します。

a)経営者個人が保有する事業用資産(経営者からの事業用不動産の貸付け、貸付金など)及び経営者個人保有のその他の財産

b)経営者個人の負債、会社債務の保証債務など

c)相続人の構成と相続税額

(イ) 後継者候補に関しては、株主の中に候補者がいるのか、相続人中に候補者がいるのかを判断し、親族から意向等を聞き取って、相続人の系統図を用意し、相続財産の配分及び経営者の方針を明確にする必要があります。

(ウ) 生前贈与、遺言書の作成等の準備をします。

(2) 自社株の価格と相続との関係等の問題点の把握して置きます。

(ア) 自社株の評価と相続税額を試算して見る。

(イ) 自社株の保有状況と株式の移動を如何にするのかを展望してみる。

(ウ) 経営上、法務上、税務上の各ポイントについて、問題の有無を把握する。

(3) そのために、対策計画を立案し事業承継計画書を作成して見るのが良いでしょう。

 

6 そして、大事なことは、後継者の選定になります。

(1) オーナー社長は、事業承継の時期を見通し、承継までの経緯を想定し、後継者を誰とするのかを見極め、事業承継のために株価の引き下げなどのプランを立てることが重要です。

(ア) 後継者の選定は、オーナー社長の決断にあたり、後継者を想定し、後継者本人の意向と「家族会議」での意見を聞き、また、会社の財務担当者、税理士、弁護士からの意見も聴取して置くとよいと思われます。

(イ) 事業承継の実施計画として、後継者の教育とその育成に当たり、その成長を見詰めつつ計画を修正する必要もあると思われます。

(2) 後継者への事業の承継は、会社の<所有権(株式)>と<経営権>を、別々に後継者に引き渡すことが重要です

(ア) 後継者に対し、<「経営権」を移譲>しつつ、最終的に<会社の所有権「株式」を承継>させ、円滑な事業承継を推進します。

(イ) 会社の取引の相手方は、企業の安定性を求めるので、時間を掛けて会社の指導体制の変更を内外に着実に印象づけていきます。

(ウ) 事業承継の時期は、後継者選びの進捗状況と、財務内容、事業展開、株価などの社内情勢や、景気変動などを勘案し、毎年承継計画を見直しながら決断します。

1)自社株式の株価の引き下げを謀って順次贈与するなどし、

2)納税資金の準備をすると共に、

3)社内の財務内容の健全化を図っていく。

4) 承継直近の利益を最大限圧縮し、株価を限りなく低額に近づける。

(エ) 株式の譲渡は、贈与税と相続税を検討し、徐々に計画を進め、例えば、2008年のリーマンショックなどのように株価が大暴落した局面で、自社株の価額が安値になった時には、株式承継を一気に実現することも必要です。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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