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最新・相続ジャーナル

相続後空き家住宅の譲渡所得特別控除制度の改正

2020.1.20

周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得る空き家の数は、毎年平均して約6.4万戸のベースで増加していますが、

そのうち約4分の3は昭和56年5月31 日以前の耐震基準(いわゆる「旧耐震基準」)の下で建築されており、
また旧耐震基準の家屋の約半数は耐震性がないものと推計されています。
こうした空き家の発生を抑制することで、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐことが課題となっています。
こうした状況を踏まえ、相続により生じた空き家であって旧耐震基準の下で建築されたものに関し、

相続人が必要な耐震改修又は除却を行った上で家屋又は敷地等を売却した場合の譲渡所得について、

2016(平成28)年4月1日から(当初は2019年12月31日まで)の譲渡に対して

特別控除3,000万円を導入しましたが、適用要件が非常に厳しく複雑であるため、

まだ全国で適用申告件数は少ないようです。
しかし、年々増加の傾向にあり、特に2019年の税制改正では2019年4月1日以降の譲渡の場合、

一定の老人ホームに入所した場合でも適用があるよう緩和されたため、

今後は更に増加のペースが増えていくものと予想されます。
さらに2023年12月31日までの譲渡に延長されました。

(1)譲渡所得金額の計算(空き家住宅を譲渡したのみ)
個人が不動産を譲渡した場合、下記の手順で課税される譲渡所得金額を計算します。
譲渡所得の金額は、
①譲渡収入金額-②取得費-③譲渡費用=④譲渡益
④譲渡益-⑤相続税の取得費加算=⑦譲渡所得
④譲渡益-⑥特別控除額=⑦譲渡所得
※⑤又は⑥どちらか多い方を選択
⑦譲渡所得×(所得税率+住民税率)=譲渡所得税額の順序で計算します。

(2)制度の概要
相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人

(相続人でない包括受遺者である個人を含みます。)が、

2016年4月1日から2023年12月31日までの間に、

その取得をした被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、

一定の要件を満たす譲渡をした場合には、居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、

居住用財産の譲渡をした場合の3,000万円特別控除を適用できることとされました。

① 譲渡対価( 売却代金) 例9千万円
②取得費
(原価/?⇨5%等)+
③譲渡費用(仲介料等)
=例1千万円
④=①-②-③= 本来の( 譲渡益)8千万円
所有期間5年超の場合
譲渡税合計④ × 税率合計20.315%
=16,252,000円
    措置法39①⇨ ⑤ 相続税の取得費加算
※申告期限後3年以内譲渡
④-⑤ と( ④-⑥ )の内
どちらか少ない金額が
⑥ 課税譲渡所得金額
※⑤と⑥
どちらか選択
    措置法35③⇨ ⑥ 3千万円控除

⑥の節税効果最大6,094,500円(一人につき)

上記の特例を適用するためには下記の要件を満たすことが必要です。

『要件1』(建築日)
・昭和56年5月31日迄に建設着手していること
原則登記事項証明書の表示登記欄で確認してください。不明の場合は下記の書類
・確認済証(昭和56年5月31日以前に交付されたもの)
・検査済証(検査済証に記載された確認済証交付年月日が昭和56年5月31 日以前であるもの)
・建築に関する請負契約書
『要件2』(相続開始日)
2013年1月2日~ 2023年12月31日に限定されます。
『要件3』(譲渡期間)
・相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡
・かつ、2016年4月1日から2023年12月31日までに譲渡
『要件4』(相続開始前居住要件)
お亡くなりになられた方が一人で居住(2019年4月1日からの譲渡では、一定老人ホーム等も可能)
『要件5』(相続後未利用)⇨死亡後譲渡するまで空家(又は空地)の未使用状態
『要件6』❶耐震リフオーム⇨耐震証明書の付いた家屋と敷地を譲渡
又は
『要件7』❷家屋の取壊し⇨等敷地のみ譲渡
※取り壊し費用は譲渡費用
『要件8』譲渡対価が1億円以下
※他にもいくつかの要件がありますが紙面の関係で割愛させていただきます。

筆者紹介

税理士

高橋 安志 税理士法人 安心資産税会計 社長 一般社団法人 安心相続相談センター 理事

経 歴
昭和26年 山形県大石田町生まれ 中央大学商学部卒業 [取材] 日本経済新聞、朝日新聞、週刊新潮、週刊ダイヤモンド、 サンデー毎日などに相続専門税理士として取材記事多数寄稿 [著書] 「小規模宅地の特例の活用」など著書累計27冊(2019年現在) [TV関係] ・テレビ埼玉・千葉テレビ・テレビ神奈川のマチコミ(水)という番組で準レギュラー生出演 ・TVCM 放映:月曜 TBSTV 5:30~ (あさちゃん)、木曜 テレビ埼玉 22:00~ (ゴルフ番組)、日曜 テレビ埼玉 6:00~ (ゴルフ番組)

「民法改正その2」<預貯金の遺産分割前の仮払い制度の創設について>

2019.9.2

  1. 1今回は、相続人全員による遺産分割協議を要する場合の預貯金の仮払い制度についてお話しします。民法改正法案は、平成30年7月6日に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」として可決成立し、令和元年7月1日から施行されました。前回は「民法改正」<平成28年の最高裁判例と、預貯金の遺産分割前の仮払い制度の創設について>とし、最高裁判例に関連し、民法改正までの遺産である預貯金の払戻し請求に関する問題点をお話ししました。

 

  1.  2遺産である預貯金については、従来は、相続開始と同時に相続分に応じて分割され、それぞれの相続人が単独で相続分を金融機関に払戻し請求することができ、遺産分割の対象にならないとされていました。しかし、最高裁(大法廷)判決平成28年12月19日は、従来の判例を変更し、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になるとしました。そのため、相続開始後、遺産分割がなされるまでは、相続人の一人から払戻しを請求しても、金融機関はこれを拒むことができることが明確になりました。
    1. (1)法定相続の場合は、預貯金は可分でなく、遺産共有となって分割の対象となり、共同相続人が分割承継することはないので、各相続人は単独で金融機関に対して払戻を請求することはできないことになりました。
    2. (2)そうすると、被相続人の借金、葬儀費用や残された家族の生活費などの緊急に必要となるお金についても、遺産分割が終了するまでは金融機関から引き出しができないと困った事になってしまいます。
    3. (3)そこで、相続発生後に生じていた相続人の資金不足を解消するために、相続法を改正して遺産分割協議の合意がなされる前でも、金融機関から預貯金を引き出せる2つの「仮払い制度」が改正・創設されました。

 

  1.  3そこで、民法改正法は、遺産分割前でも一定額であれば預貯金の仮払いを認める制度として、次の2つの手続きを創設しました。
    1. (1)金融機関の窓口に直接請求する方法
      1. (ア)相続人の一人が、金融機関の窓口へ行って仮払いの請求をする場合、<相続開始時の各口座の預貯金残高×3分の1×その相続人の法定相続分>を基準額とし、法務省令で定められる金額(金融機関ごとに150万円とされている)を上限額とし、払戻請求ができるとされています。
      2. (イ) 仮払いを受けた場合は、その相続人が遺産の一部分割で取得したとみなされ、後日の遺産分割の際に具体的な相続額から差し引かれます。
      3. (ウ)その相続人が、実際の相続分を超えて預貯金の払い戻しを受けていた場合は、他の相続人から超過分の清算を求められます。
    2. (2)家庭裁判所の保全処分による「仮分割の仮処分」を利用する方法
      1. (ア)家庭裁判所に遺産分割の審判または調停を申し立てた上、保全処分として、仮払いの必要性を疎明して預貯金の仮払いを申し立てると、その判断により他の共同相続人の利益を害さない範囲内で仮払いが認められます。
      2. (イ)この場合、裁判所は、上限金額なしに払い戻しを認めることができますが、相続人間の公平を図る観点からすれば、実際には当該相続人の法定相続分の範囲内となる可能性があります。
      3. (ウ)しかし、家庭裁判所への申し立ては、その手続きが煩雑な上、コストや時間が掛かるデメリットがあります。

 

  1.  4前回も述べたように、遺産分割協議などの手続を回避するためには、遺言書を作成し、相続開始後直ちに必要となる資金を預貯金から引き出せるように、預貯金の取得者等を明確に規定しておき、想定外のことが生じないような措置を取っておくことが必要です。一部の預貯金に記載漏れがあると、その預貯金は、遺産共有となって分割が必要になりますので注意を要します。
    1. (1)遺言書の作成は、専門家に相談し、自らの意思に即した「遺言公正証書」としておくことが大事であると思われます。
    2. (2)遺言書の作成に当たっては、「遺言執行者の指定」を忘れないようしてください。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

「民法改正」 <平成28年の最高裁判例と、預貯金の遺産分割前の仮払い制度の創設について>

2019.7.25

  1. 1 改正民法では、遺産分割前でも一定額であれば仮払いを認める制度が創設されています。
    これについては次回に説明することにし、今回は平成28年の最高裁判例に関連し、民法改正までの遺産である預貯金の払戻し請求に関する問題点をお話しします。
  2. 2 遺産である預貯金については、従来は、相続開始と同時に相続分に応じて分割され、それぞれの相続人が単独で相続分を金融機関に払戻し請求することができ、遺産分割の対象にならないとされていました。

    1. (1) これまでも全員が遺産分割協議で合意すれば預貯金も自由に分割できましたが、話合いが決裂した場合は、民法の法定相続分に従い、例えば、配偶者が1/2、残りの1/2を子供の数で等分に配分するとされ、預貯金以外にめぼしい財産がない場合で分割協議が整わないと、生前に多額の現金贈与を受けていた者が得をする不公平感が残る遺産配分となってしまうことがありました。
    2. (2) 最高裁(三)判決平成16年4月20日なども「預貯金は当然、法定の相続割合で分けられる」と判断していました。
  3. 3 しかし、最高裁(大法廷)判決平成28年12月19日は、従来の判例を変更し、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になるとしました。

    1. (1) 法定相続の場合は、預貯金は可分でなく、遺産共有となって分割の対象となり、共同相続人が分割承継することはないので、各相続人は単独で金融機関に対して払戻を請求することはできないことになりました。

      • (ア) 相続開始後、遺産分割がなされるまでは、預貯金が凍結され、相続人の一人が払戻し請求をしても、金融機関はこれを拒むことができることが明確になりました。
      • (イ) そうすると、被相続人に預貯金以外に支払いに充てる資金がない場合に、相続人がその預貯金を使えないので、相続債務や葬儀等費用を支払えず、困った事になります。例えば、被相続人から生活費や学資を負担して貰っていた子供や援助を受けていた病気療養中の者の治療費を貰えず、また納税・公共料金の支払いなどができなくなります。
    2. (2) 預貯金の払戻しができない問題を解決するには、次の方法があります。

      • (ア) 相続財産の一部だけを対象とする遺産分割を成立させるという方法です。ただし、これは相続人全員の同意を必要とします。

        • a) 相続人の1人が行方不明である場合は、遺産分割の合意ができません。
        • b) その場合の解決方法として、失踪宣告や不在者財産管理人の選任があります。
        • c) また、相続人が認知症のため判断能力が低下し意思能力が欠けている場合は、遺産分割に参加できないので、家庭裁判所で成年後見人の選任をして貰い、後見人が遺産分割に参加する方法を講じることができます。
      • (イ) 法律の制度としては、まさにこのような緊急時の制度として、家庭裁判所の判断で、遺産分割の審判を本案とする仮分割の仮処分で決定して貰うことができます(家事事件手続法200条2項)。
  4. 4 相続人全員による遺産分割協議などの余計な手続を回避するためには、遺言書を作成し、その中で預貯金等の承継方法を特定しておくことです。

    1. (1) 遺言書で分割方法の指定している場合は、承継される金額が定まります。
    2. (2) その場合は、その遺言に抵触する他の遺言がないこと、遺言の有効性について紛争・疑義が生じていないことが前提となります。

      • (ア) 通常は、預貯金も含めてすべての遺産について承継方法を記載しておきます。しかし、一部の預貯金について遺言への記載が漏れていたというケースが実際に起きたことがあります。
      • (イ) この場合は、記載漏れの預貯金は、遺産共有となって分割が必要になります。
      • (ウ) 平成28年判例の前であれば、預貯金は遺言への記載漏れがあっても、原則的に遺産分割は不要で、各相続人が各自の法定相続割合の金額を払い戻すことができました。しかし平成28年判例の解釈によって、現在ではすぐに預貯金の払戻しはできないのです。
    3. (3) 遺言書を作成する場合は、少なくとも、相続開始後直ちに必要となる資金を預貯金から引き出せるように、預貯金を誰に取得させるかなどを明確に規定し、想定外のことが生じないような対策を取っておく必要があります。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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