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最新・相続ジャーナル

相続のきほん(その7)

2023.8.17

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

遺産分割協議がととのったら遺産分割協議書の作成をします。

遺産分割協議の話がまとまったら遺産分割協議書を作成する

法定相続人全員の署名実印による押印、印鑑証明書の添付が必要

※海外にいる相続人・・大使館等で「サイン証明」を取得

不動産の相続に使用する場合は、一定の決まりに従う

※不動産の表記は地番で行うこと(登記簿謄本に記載されている通りに表記)

 

遺産分割協議書への調印を終えると不動産の名義変更、預貯金の払戻手続きへ進むことができます。

相続にかかわる名義変更手続き

不動産の名義変更

  • ・戸籍等の添付書類を揃え、法務局へ登記申請をする
  • ・司法書士への依頼をお勧めします

預貯金の払い戻し

  • ・各金融機関所定の書類で手続きを行う
  • ・金融機関によっては何度か窓口に出向きます

 

(金融機関の手続き書類の見本)

 

令和5年の「路線価」2年連続の上昇!

2023.8.1

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

7月3日に公表された今年の路線価、皆さんはもう確認されましたか?路線価は毎年1月1日時点の道路に面する土地1㎡当たりの価格を評価したもので、その年の相続税や贈与税を算定するうえで基準となる指標です。

 

■特に上昇したのは商業地や観光地

今年の路線価は全国平均で前年比1.5%上昇し、2年連続で前年を上回りました。上昇率も前年の0.5%から大きく伸び、コロナ禍からの回復傾向がよくあらわれています。

全国の路線価トップは今年も東京都中央区銀座5丁目銀座中央通りの鳩居堂前で4,272万円/㎡(1億4,122万円/坪)。インバウンド需要回復により賑わいが戻り、3年ぶりに上昇に転じました。行動制限や入国制限が緩和されたことにより経済活動の回復が著しい商業地や観光地は、全国的に大きく伸びているようです。

その一方で、千代田区や中央区、港区といった東京都心のオフィス街は横ばいか緩やかな上昇にとどまっています。背景にはオフィスの供給過多もありますが、リモートワークといった働き方の変化によりオフィスの使い方が変わったことも影響しているようです。オフィス需要の低迷は今後も続くとの見方もありますので注視していきたいところです。

 

■再開発地での上昇は周辺地域へも波及

都道府県別の平均では25都道府県で前年を上回り、上昇率が最も高かったのが北海道で6.8%、次いで福岡県で4.5%、宮城県で4.4%でした。

都道府県庁所在地の最高路線価では29都市で前年を上回り、15都市だった前年のほぼ2倍に増えました。上昇率のトップは岡山市北区本町市役所筋で9.3%上昇、2位は札幌市中央区北5条西3丁目の札幌停車場線通りで8.4%上昇、3位はさいたま市大宮区桜木町2丁目の大宮駅西口駅前ロータリーで8.0%の上昇です。

再開発が進み不動産市場が好調な中核都市で価格が大きく伸びており、その影響はその周辺地域へも波及しているようです。再開発が進む札幌市は、郊外や周辺地域で住宅を購入する動きが高まり道内全体の路線価を押し上げていて、北海道は都道府県別の上昇率トップとなっています。再開発や住宅建設が活発なさいたま市などのエリアの今後の伸びにも期待したいですね。

 

路線価が公表されるこの時期は、ご自身の資産の相続税評価額を見直す良い機会です。路線価が変わることで所有する土地の評価額は変わり、相続税額も変わります。相続対策の見直しが必要となることもあるでしょう。ぜひ相続に強い専門家の手を借りながら、円満な相続を迎える準備をなさってください。

相続のきほん(その6)

2023.7.22

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

相続手続きの事務作業とは別に、遺産分割協議を進めるうえで大切なことがあります。

相続人間での話し合い(遺産分割協議)における心がけ

いやりと譲る気持ちが大切

「平等」は難しい、「公平」に分けることを考える (例)相続財産のほとんどが自宅のとき

相続の主役では物ではなく「人」

相続にはその人の「生き方」が現れる

相続の時に家族の潜在的な問題が表面化する

 

ご家族間でのスムーズなやり取りができるように、遺産分割協議の進め方もおさえておきましょう。

相続財産の一覧表を作成する

相続の対象となる資産は何があるかを、一覧表にして把握します

相続財産の評価をする

※「相続税法上の評価の額」と「遺産分割のための評価の額」は異なります

相続人同士で、遺産分割の話し合いをする

誰がの財産を相続するか、話し合いで決める

「相続人全員の合意」があってはじめて、遺産分割協議が成立

必ずしも法定相続分に従う必要はない

一人がすべてを相続する遺産分割もできる

法廷相続人以外の人は、遺産分割に加わることはできない

遺産分割で財産を相続できるのは法定相続人だけ

法定相続人以外の人に財産を受け継がせたい場合には「遺言書」が必要

相続のきほん(その5)

2023.7.15

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

期限があるうえに手続きの内容も大変な相続税申告、納税の準備について確認しておきましょう。

相続財産が「基礎控除額」を超える場合相続税申告が必要

基礎控除額

平成26年12月31日まで・・・5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

平成27年1月1日から ・・・3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

今までに比べて基礎控除額が4割減少!

法定相続人

の数

改正前

平成26年12月31日まで

改正後

平成27年1月1日から

1人 6,000万円 3,600万円
2人 7,000万円 4,200万円
3人 8,000万円 4,800万円
4人 9,000万円 5,400万円
5人 1億円 6,000万円

 

相続税申告の準備では書類の収集が大変な作業になります。普段の生活であまり馴染みのない書類も多いので、幾つかご紹介します。

収集する書類の例

貯金がある場合

  • ・金融機関の「残高証明書」、「既経過利息計算書」等
  • ・通帳も少なくとも過去3年分(通帳がなければ「取引明細書」を取得)

不動産がある場合

  • ・全部事項証明書の写し、固定資産評価証明等

相続のきほん(その4)

2023.7.8

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

各相続手続きを進めるために、戸籍収集が必要なのはご存知でしょうか。戸籍収集がなぜ必要かと言うと・・・

法定相続人を確定」するために必要

必要な書類は「亡くなった人が、生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本」

 

 

 

収集した戸籍の束を持って相続手続きのため各先をまわるのは、なかなか大変な作業です。便利な制度ができていて「法廷相続情報一覧図」の写しを取得すると、相続手続きがとても楽になります。

相続手続きの時間とコストの問題解消

これまでの相続手続き

被相続人の戸籍謄本等の束を銀行等の窓口に何度も提出が必要

・窓口での確認に時間がかかる

・戸籍謄本等の取得には費用もかかる

法務局に戸除籍謄本等と相続関係を一覧にした図を提出すれば、「法廷相続情報一覧図」の写しが何通でも無料で交付されます

その後の相続手続きは、戸除籍謄本等の束のかわりに、この法廷相続情報一覧図の写しを提出することができます

相続税の税務調査が増える? ~新型コロナ「5類」移行後の傾向~

2023.7.1

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したことにより、増加傾向にあるのではといわれているのが「税務調査」です。税務調査とは申告内容が正確なものか税務署が調査を行うもので、申告漏れや無申告を指摘されると、追徴課税がペナルティとして課せられます。

 

■5類移行後の相続税の税務調査、変化はあるのか

コロナ禍では税務調査についても、感染防止の観点から、税務署の職員が自宅に訪問して資料の確認や聞き取りを行う、対面での実地調査を控える傾向にありました。その影響により、相続税の実地調査件数は令和元事務年度10,635件、令和2事務年度5,106件、令和3事務年度6,317件と、コロナ禍では5~6割程に減っています(国税庁「相続税の調査等の状況」より)。気になるのは、コロナ禍では実地調査件数自体は減っているものの、なんと実地調査1件当たりの追徴税額が増えている点です。制限のある状況下で、税務調査の効率と精度が上がっていることが窺えます。5類移行に伴い、実地調査件数はコロナ前と同水準に戻るのか、調査効率が上がったことの影響はあるのか、今後の税務調査に注目したいですね。

 

■知っておきたい税務調査が入りやすいケース

税務調査が入るのはちょうどこれからの時期で、申告の翌年か翌々年の8月から11月にかけてが大半です。特に次のようなケースは税務調査が入りやすいとされています。

  • ①遺産が多額…地域によって多額の基準に多少の違いはありますが、富裕層、医師、弁護士、著名人、経営者といった高収入で遺産が多額と見込まれる方々の相続では、税務調査が入りやすいようです。実は健在のうちから数十年にわたり、税務署が預金調査をしているともいわれています。
  • ②中小企業の経営者…経営者個人と会社の両方が調査対象となり、個人と会社間の取引は特に厳しくチェックされています。
  • ③高所得者のはずなのに遺産が少ない…高所得である場合は職業を問わず管理システム上で把握され、遺産の額が収入に見合っているか確認されているようです。
  • ④年齢・収入に見合わないくらい資産の多い家族がいる…未成年者や専業主婦といった資産背景がないのに、預金が高額である場合等は、名義預金がないかのチェックが入ります。
  • ⑤海外資産がある、海外送金をしたことがある…海外資産は最近特によくみられているようです。1回に100万円超の海外送金をすると税務署に通知が届きますので、後々遺産と照合することができます。
  • ⑥生前に不動産を売却している…残っているであろう額と遺産に大きな差があると、税務調査をされることがあります。
  • ⑦税理士に依頼せずに自分で申告…税務の専門家である税理士が携わっていないことから、申告内容にミスや財産の見落としがないかと、厳しくチェックされるようです。

 

税務調査が入る事態を避けるためにも、相続税の申告は信頼できる税理士としっかり相談をして、正しく申告することが得策といえるでしょう。

相続のきほん(その3)

2023.6.22

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

今回は、相続のきほんとしておさえておきたい相続手続きの内容と期限のお話しです。まずは相続の手続きの流れをおさえておきましょう。

 

 

相続開始後には、具体的には次の手続きを必要に応じて進めます。専門家の手を借りることも検討しましょう。

 

 

上の表の中でも注意したいのが期限がある手続きです。確認しておきましょう。

相続放棄・・・3か月以内

債務を一切相続しないためには、相続放棄の手続きをすることが必要

相続があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に「相続放棄の申述」をする

※「遺産分割の話し合いで財産を受け取らないことに決めた」は相続放棄ではありません

 

相続税の申告・納税・・・10か月以内

資料収集、遺産分割協議、相続税の計算、納税資金の準備などを10か月以内に完了させます

相続のきほん(その2)

2023.6.15

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

今回も引き続き「相続」のきほんについてもう少しお話しします。相続の軸となる内容ですので、しっかりおさえておきたいところです。相続は被相続人と相続人のどちらの立場かで、みえ方が変わります。

 

被相続人からみた相続

遺言を作るか作らないかにより異なる

遺言による相続・・・遺言に従った相続(遺言相続)

遺言を作らない場合の相続・・・民法に従った相続(法定相続)

 

相続人からみた相続

単純承認、相続放棄、限定承認を選ぶことができる

①単純承認・・・プラス財産とマイナス財産のすべてを受け継ぐ

②相続放棄・・・プラス財産もマイナス財産も一切受け継がない

③限定承認・・・プラス財産の範囲内でマイナス財産を負担する

債務を一切相続しないためには、相続放棄の手続きが必要

相続があったことを知った時から「3カ月以内」に、「家庭裁判所」に「相続放棄の申述」をします

※「遺産分割の話し合いで財産を受け取らないことに決めた」だけでは、完全に債務を免れることはできません

 

それぞれの立場で相続をとらえられると、揉めることもなく無理のない家族想いの相続を迎えることができるでしょう。

 

民法に従った相続のきほんは大切なポイントです。

相続人は誰なのかは民法で定められていますので、考え方をおさえておきましょう。

相続人は誰?

 

法定相続分も大切なポイントです。下の図で確認しておきましょう。

法定相続分はどのくらい

法定相続分とは、遺言書がない場合に各法定相続人が譲り受けることのできる遺産の割合のこと

※同順位の者が複数いる場合は、さらに人数で頭割りします

相続のきほん(その1)

2023.6.8

こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。

 

皆さんは相続を学ぶのに一番スムーズなのは、どんな順番だと思いますか?個人的には次の流れが一番スムーズだと思います。

 

「相続」の基本を知る

「税金」の基本を知る

「遺言書」の基本を知る

 

この中でも今回は、「相続」の基本についてもう少し掘り下げてお話しします。

「相続」の基本を知る

全体ではなく、一部分を知るだけで十分

おさえるポイント3つ

①法廷相続人

②法定相続分

③相続手続きの内容と期限

 

「相続」とはどういうことかについて知るのに、おさえておきたい用語があります。

相続の基本用語3つ

①「被相続人」:亡くなった人のこと(相続される側の人)

②「相続人」:被相続人を相続する人のこと

③「法廷相続人」:民法の規定により、相続人となる人のこと

 

相続により、承継されるものも確認しておきましょう。マイナスの財産がある時は特に注意が必要です。

相続により、相続人に承継されるもの

財産上の地位

①プラスの財産・・・不動産、預貯金、有価証券など

②マイナスの財産・・・借入、債務など

※相続放棄や限定承認をしない限り、「借金なども引き継ぎます」

③当然に承継されないもの

  • ・・・ⅰ. 被相続人の一身に専属したもの
  •    ⅱ. 位牌・墳墓などの祭祀財産
  •    ⅲ. 生命保険金、死亡退職金、遺族年金など、契約や法律に基づいて支払われるもの

 

次回も「相続」のきほんについて、もう少しお話しします。

「配偶者の居住の権利」を考える(その2)

2023.6.1

今回は「配偶者居住権」の取得方法と設定時の注意事項をお話しします。

 

  1. 3 配偶者居住権の取得方法
    1. (1) 配偶者居住権は、遺贈(遺言で財産や権利を与える)、遺産分割によって取得するもので、相続開始により当然に生じる権利ではありません
      • (ア) 「遺言書」で取得させる場合は、次のような文例とする。
      • 第〇条 遺言者は、遺言者の所有する下記の不動産を遺言者の長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させ、当該不動産について配偶者居住権を妻〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺贈する。
      • (イ) 遺言書がない場合は、次のような文例の「遺産分割協議書」とする。
      • 第〇条 下記の不動産について、長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)はその所有権を取得し、妻〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)は配偶者居住権を取得する。
    2.  (2) 「配偶者居住権」は、建物の全部に及び居住部分以外に、店舗として使用していた部分や人に賃貸して家賃を得ていた部分がある場合に、居住部分だけでなく建物全体について使用及び収益させることができます。
      • (ア) 居住建物の利用方法は、基本的に相続開始前と同じで、住居としての利用部分は引き続き住居として利用しなければならない。

      • (イ) 従前の用法が住居部分は住居とし、店舗部分は店舗又は住居とし、賃貸部分を賃貸又は住居として利用することができる(民1032Ⅰ)。

      • (ウ) 但し、所有権者が認める場合はそれ以外の用法も可能である。

    3.  (3) 居住建物の所有者は「配偶者居住権」の登記設定の義務を負い(民1031)、配偶者居住権者はその登記請求ができます。
      • (ア) 配偶者居住権者はこの登記により、物権取得者その他第三者に対抗力を有し(民605)、占有妨害の停止、占有物返還請求ができる(民603の4)。
      • (イ) 設定登記の登録免許税は、不動産の価額の1,000分の2である。
    4.  (4) 配偶者居住権の存続期間は「配偶者の終身の間とする」とされ(民1030本文)、その死亡により消滅します 。
      • (ア) 遺言や遺産分割協議で居住する期間を決められる(民1030但書)。
        • a) 「別段の定め」をすれば、10年間あるいは20年間など任意に期間を定めることもできる(民1030但書)が、存続期間の変更はできない。
        • b) 但し、期間満了前に権利者が死亡した場合は権利は消滅する。

      • (イ) 配偶者居住権を譲渡(売却)することはできない(民1032Ⅱ)。
      • (ウ) 居住建物を取得した相続人の承諾を得れば、建物の増改築、人に賃貸して家賃収入を得ることができる(民1032Ⅲ)。
      • (エ) 配偶者居住権の放棄又は合意による解除は可能である。
    5. (5) 「配偶者居住権」の遺贈については「特別受益者の相続分」の「持戻し免除の意思表示の推定規定」(民903Ⅳ)を準用しています(民1028Ⅲ)。
      • (ア) 「配偶者居住権」については、上記推定規定を活用した「遺言公正証書」を作成しておくのが最善であると思われる。
      • (イ) 遺産分割協議で「配偶者居住権」の合意を得るには、大変な精神的負担が掛かるし、調停・審判の手続きも大変である。

 

  1. 4 配偶者は「配偶者居住権」を設定する場合、以下の事項を念頭に置き、自宅の取得方法を良く考慮する必要があります。
    1. (1) 「配偶者居住権」を活用すると、配偶者は自宅の所有権を取得する場合よりも低い評価額で居住権を取得し、その評価額の引き下げ分だけ預貯金等を多く相続して老後資金を増額できるメリットがあります。
      • (ア) 配偶者は、遺産分割(法定相続分2分の1)で住居(土地・建物)の所有権を取得すれば住み続けられるが、その分、預貯金などの取り分が減り生活資金に困る虞があります。
      • (イ) また、主たる相続財産が住居である場合は、遺産分割のために住居を売却せざるを得なくなる場合があります。
    2. (2) 「配偶者居住権」は財産的価値があるので相続税の課税対象となります
      • (ア) 「居住権」は住居に住むだけの権利で、その相続財産としての評価額は、配偶者の年齢の平均余命などから算出します。
        • a) 高齢者ほど余命が短いので不動産の評価額(配偶者居住権の負担のない場合の不動産価額)よりも低く算定され、その分、預貯金など他の財産を多く受け取れる。
        • b) 「配偶者居住権」は配偶者が自宅に住み続けられる権利なので、高齢になるほど自宅に住み続ける期間が短くなり、その価値は減少する。
        • c) 配偶者居住権の価額が不動産の価額と同じになってしまうこともあり、その場合は配偶者居住権を利用する意味が殆どなくなる。
      • (イ) 遺産分割時の「配偶者居住権」の評価方法は次の通りです。
        •  a) 評価額は、共同相続人間で合意による相当額で算定してもよい
        •  b) 遺産分割協議や調停で価額を合意できなければ、審判で決める。
        •  c) 相続税の申告時までに配偶者居住権の評価を決める必要があり、この場合の評価方法は、国税庁の通達で指定された評価方法によるので、遺産分割時の評価方法でも参考にできる。

筆者紹介

特別顧問

弁護士 青木 幹治(青木幹治法律事務所) 元浦和公証センター公証人

経 歴
宮城県白石市の蔵王連峰の麓にて出生、現在は埼玉県蓮田に在住。 東京地検を中心に、北は北海道の釧路地検から、南は沖縄の那覇地検に勤務。 浦和地検、東京地検特捜部検事、内閣情報調査室調査官などを経て、福井地検検事正、そして最高検察庁検事を最後に退官。検察官時代は、脱税事件を中心に捜査畑一筋。 平成18年より、浦和公証センター公証人に任命。埼玉公証人会、関東公証人会の各会長を歴任。 相談者の想いを汲みとり、言葉には表れない想いや願いを公正証書に結実。 平成28年に公証人を退任し、青木幹治法律事務所を開設。 (一社)埼玉県相続サポートセンターの特別顧問にも就任。 座右の銘は「為せば成る」。

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