埼玉県相続サポートセンターのスタッフが日頃思うことや感じたことをブログにしました。
2020.2.15
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
昨年施行された改正相続法では、遺留分制度の見直しがなされています。
「遺留分減殺請求権」から「遺留分侵害額請求権」に名称が変わり、請求する権利についても、
お金を請求する金銭債権に変わったことは、ご存じの方も多いことと思います。
お金の債権債務の問題となった遺留分制度ですが、不動産を譲渡することで解決することもできます。
ただし注意をしたいのが、その際には譲渡する側に譲渡所得税がかかるようになった点です。
例えば、遺留分侵害額として1,000万円の請求を受けた場合に、
お金の代わりに、被相続人の遺産の中から1,000万円相当の土地を譲渡することで合意したとします。
これにより請求を受けた側は1,000万円の債務を減らすことができますが、
この土地を1,000万円で譲渡したものとして、譲渡所得税がかかるようになるのです。
(所得税基本通達33-1-6より)
改正法により遺留分制度は使いやすくなったといえますが、
遺留分の問題を不動産で解決する必要があるときには、請求される側は交渉にかかる諸費用だけでなく、
譲渡所得税の準備も必要でしょう。
遺留分制度は施行から半年が経ちましたが、実際の取り扱いにはまだまだ注意が必要です。
今後も皆様の役に立つ情報を発信してまいります。