埼玉県相続サポートセンターのスタッフが日頃思うことや感じたことをブログにしました。
2021.7.15
こんにちは。相続コーディネーターの古丸です。
7月1日に公表された今年分の路線価、みなさんはもう確認されましたか?路線価は毎年1月1日時点の道路に面する土地1㎡当たりの価格を評価したもので、その年の相続税や贈与税を算定するうえで基準となる指標です。
今年の路線価は、全国平均で前年比0.5%下落(前年は1.6%の上昇)となり、6年ぶりに下落に転じました。新型コロナウイルスの影響により、観光地ではインバウンド(訪日外国人客)が急減し、訪日客の消費額が大幅に縮小したことが地価の下落につながっています。また飲食店への営業時間短縮要請や休業が続いたことも、繁華街を抱えるエリアの下落に大きく影響したと考えられます。
路線価トップは、今年も東京都中央区銀座五丁目の「鳩居堂」前で、1㎡当たり4,272万円。ただ今年は、前年まで4年連続での最高額更新から一転、前年比マイナス7.0%の大幅下落となりました。
都道府県別の路線価では、39都道府県で下落(前年は26県)。一方、北海道、宮城県、千葉県、福岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県の7道県は上昇しました。
埼玉県内の路線価も前年より平均0.6%のマイナスとなり、8年ぶりの下落。堅調な伸びを続けてきましたが、今年上昇した地点はゼロとなりました。
埼玉県内の路線価トップは、今年も大宮区桜木町二丁目の「大宮駅西口駅前ロータリー」で、1㎡当たり426万円。前年は県内で最も高い15.1%の上昇率となった同地点も、今年は横ばいにとどまりました。県内で2番目に高い路線価となったのが、「川口駅前産業道路」の194万円、同じく横ばいになりました。浦和区高砂1丁目の「浦和駅西口駅前ロータリー」は、1㎡当たり190万円。前年の14.3%の上昇から1%の下落に転じました。
はじめにお話しした通り、路線価はその年の1月1日時点の価格で、その年に開始した相続や贈与で土地を取得した場合の相続税・贈与税は、その路線価を基に算出されます。
しかし昨年は、新型コロナウイルスの影響により時価が下落したことで、路線価が時価を上回る状況が確認されたとして、一部地域については路線価を減額修正する対応が初めて行われました。今年も地価の推移によっては、路線価の減額修正の対象となる地域が出てくるかもしれません。
今年土地の贈与を考えている方は特に、今後の動向を注視していく必要がありますね。